2019年3月16日土曜日

銭湯でよく見かける黄色の風呂桶「ケロリン桶」のひみつ







この黄色い桶を一度は目にしたことがあるでしょう。
通称「ケロリン桶」。日本全国の銭湯や公衆浴場で幅広く使用されている風呂桶です。
今回はこのケロリン桶についてご紹介します。


そもそもケロリンって?

ケロリンとは、富山めぐみ製薬から製造販売されている、非ピリン系の鎮痛薬です。

富山めぐみ製薬は、「富山のくすり」ブランドを育成することを目的として、株式会社廣貫堂・大協薬品工業株式会社・内外薬品株式会社の三社が共同で設立した会社です。






桶は見たことがあっても、こちらの薬を見たことがない人は多いと思います。

頭痛・生理痛・歯痛に効果があり、痛みと熱を素早く抑えるとうたわれています。
眠くなる成分は入っていないため、車を運転する前に服用しても安心。

ケロリン桶誕生の由来

1963年、内外薬品では、ケロリンをはじめとした置き薬向け製品は好調でしたが、全国に薬局薬店がふえ、ケロリンを置いてもらいたいという夢を抱くようになりました。そして夢の実現に向かって全国の薬局薬店をまわり始めたのです。 そんなとき、内外薬品に睦和商事の当時営業スタッフだった山浦氏(現睦和商事社長)から「湯桶にケロリンの広告を出しませんか?」と持ち掛けられたのがキッカケだそうです。


当時の銭湯は木製の湯桶を使用していましたが、衛生上の問題から合成樹脂製の桶に切り替わりつつある時期でした。「風呂桶を使った広告は多くの人が目にするはず」ということで話がまとまり、東京温泉(東京駅八重洲口)に置いたのが最初です。

また、ビジネスモデルとしても良くできており、ケロリン桶1個当たりの原価が600円、その半額の300円を内外薬品が広告費として負担するのが大まかな目安だったようです。この条件だと銭湯側は1個300円でケロリン桶を仕入れることが可能。ケロリンをPRしたい内外薬品にとっても、桶を安く仕入れたい銭湯にとっても、双方にメリットがあったわけです。

これが好評を博し、ケロリンの桶は全国の銭湯・温泉・ゴルフ場などの浴室へと波及していったのです。以来、延べ250万個も納入。現在も年4、5万個のペースで納入が続けられています。
風呂桶に広告、というアイデアが素晴らしいですよね。思いつきそうでなかなか思いつかない。

ケロリン桶の特徴

とても頑丈

一番の特徴はその頑丈さ。別名「永久桶」とも呼ばれるほどです。
ポリプロピレン樹脂製で、銭湯で子供が蹴飛ばしても、腰掛けにされてもビクともしないのがウリとのこと。
管理人も初めて桶に触れたときはその硬さに少しビックリしたのを覚えています。

また、広告印刷がプラスチックの表面にではなく、内部に埋め込まれるキクプリントという技術を採用しているため、文字が消えにくいのが特徴です。

結果的に桶が長持ちし代替の必要があまりないから、長期間の広告効果も期待でき、他社の参入も許さなかったわけですね。かしこい。

鮮やかな黄色

なんといってもその鮮やかな黄色が風呂場ではとても目立ちます。
しかし製造当初は実は白色だったそうです。湯垢による汚れが目立ったため、後に黄色い桶に改変されたとのこと。


実はいろんな種類がある

一口にケロリン桶といっても、実はさまざまな種類が存在します。





ケロリン桶には関東サイズと関西サイズがあります。

・A型(関東):重さ360g 直径225mm 高さ115mm
・B型(関西):重さ260g 直径210mm 高さ100mm

関西の方が少し小さ目なつくりとなっています。
関西には、湯舟から桶を使ってかけ湯をする習慣があり、関東型を使った場合湯が入りすぎて重くなってしまうからです。





ケロロ軍曹やけものフレンズとのコラボバージョンも。






ストラップや薬用入浴剤もあります。

まとめ

ケロリンが日本の浴場を席巻しているのにはちゃんと理由がありました。
もはや日本の銭湯文化にケロリン桶は外せないですね。
銭湯の数が年々減っている影響もあり、経営は決して楽ではないのかも知れませんが、管理人を含めてたくさんのファンがいます。ぜひこれからも頑張ってほしいものです。


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