温泉は、体の調子を整えてくれるさまざまな効能がありますが、やみくもに浸かれば良い、というものではありません。入り方一つで、体への効果が変わってきます。
今回は、「正しい温泉の入り方」についてまとめました。
禁忌症に注意
基本的に温泉は身体に良い効果をもたらすものですが、病中病後で体の抵抗力が下がっているときはかえってマイナスに働くことがあります。以下の症状の場合は、温泉入湯は避けた方が無難です。
- 急性疾患(熱のあるとき)
- 重症高血圧、動脈硬化症、動脈瘤
- 重度の心臓病や心筋梗塞、狭心症
- 重度の腎臓病
- 重度の糖尿病
- がん、白血病、肉腫
- 妊娠初期と後期(安定期以外)
- 月経中
- 伝染病
「重症」「重度」の程度については、必ず医者の判断を仰いでいただきたいと思います。
当ブログでは、責任を負いかねますので…
入浴時のポイント
入浴前と入浴後に水分補給
入浴により汗をかくことで血液粘度が高くなります。そのため入浴前後に水分を取ることが大切です。
ちなみに飲むのは水より緑茶がベター。カテキンを含む緑茶は殺菌作用や脂肪燃焼に効果的です。入浴前なら温浴効果によりカテキンの吸収アップ、入浴後なら脱水予防になります。
温泉旅館に行くと、よくお部屋にお茶とお茶菓子が用意されていますよね。あれって実は科学的にも理にかなってるわけです。ぜひお茶をゆっくり頂いてから入浴しましょう。
お酒を飲んでの入浴は避ける
温泉旅館などでは、一杯飲んでほろ酔いの良い気分で入浴、といきたいところですが、アルコールが入った状態での入浴は、血管を拡張させ、皮膚表面への血液循環が良くなりすぎているため、脳への血流が減少し脳貧血が起こりやすい状態となっています。
また、心拍数が増加し不整脈が起こりやすくなっています。
酔い具合によっては、浴室内での転倒や、最悪溺死、といった危険も孕んでいます。酔いが醒めるのを待ってから入浴しましょう。
運動直後の入浴は避ける
飲酒後同様、運動直後の入浴も避けた方が無難です。
運動により筋肉を動かしている最中は、必要な酸素を供給するため血液が筋肉に集まってきます。また、運動の後も筋肉にたまる乳酸などの老廃物を運び去るために筋肉における血流が増加します。しかし、入浴により血流が良くなり全身に血液がめぐるため、筋肉に十分な量の血液が回らない、つまり筋肉の疲れがなかなかとれない状態になってしまいます。特に高温の湯は血管を収縮させるので、老廃物を取り除くのに十分な血流を得ることがいっそう難しくなります。
また、運動直後の入浴は心臓にかかる負担も大きく増大してしまいます。30分~1時間程度は休息を取ってから入浴するように心掛けましょう。
かけ湯をする
単に体の汚れを落とす、というマナーとしての行為にとどまらず、お湯の温度に体を慣らすため、かけ湯は念入りに行いましょう。心臓への負担を減らすため、足先など心臓に遠い部位からかけ湯をすることがポイントです。
まずは半身浴から
ついつい首までスッポリと湯舟に身を沈めたくなるものですが、はじめは半身浴からはじめましょう。いきなり首まで浸かると、心臓への負担が大きくなってしまいます。
長湯は避ける
温度、水圧及び温泉の刺激による体への負担を極力和らげるため、
半身浴→全身浴→足浴
というローテーションでゆっくりと入浴しましょう。
途中で浴槽から出て、椅子等で休憩を挟むのもおススメです。体への負担を減らすとともに、湯冷めをしにくくなるという効果も期待できます。
濡れタオルを頭に乗せる
温泉や銭湯でよく見かける光景ですが、タオルを湯舟につけない、というマナー的な側面のほか、のぼせ防止にも効果があります。なお、乾いたタオルでは効果がありません。冷たい水で濡らしたタオルを頭に乗せて冷やすことで、頭に血が上ってのぼせるのを防止できます。
また、湯舟からあがると、立ちくらみをおこすことがあります。これは下半身が水圧から解放されて、頭から足の方へと急激に血液が流れ込んでしまうからです。その場合は逆に温かいタオルが役に立ちます。温かいタオルを頭に乗せ、ゆっくりと立ち上がるのですが、予め頭部の血行を良くしておくことで立ちくらみを抑制する効果が期待できます。
出るときにシャワーで洗い流さない
温泉から上がる際にシャワーを浴びてしまうと、せっかくの温泉薬効成分が洗い流されてしまいます。温泉には皮膚の表面に膜をつくり、保温・保湿する効果がありますので、洗い流さずにそのままタオルで体を軽く拭くだけに留めておくのがおススメです。
但し、酸性泉など皮膚への刺激が強い温泉の場合、その限りではありません。泉質に応じて対応を変えていきましょう。
まとめ
正しい入浴方法を知ることは、体への良い効果を増大させるだけでなく、安全な入浴という観点からも非常に大事なことです。
誤った入り方をすると、命にかかわる事故にも繋がりかねません。
特に高齢の方や、血圧・心臓に異常や不安をお持ちの方は十分注意し、気持ちの良い入浴を楽しみましょう。
誤った入り方をすると、命にかかわる事故にも繋がりかねません。
特に高齢の方や、血圧・心臓に異常や不安をお持ちの方は十分注意し、気持ちの良い入浴を楽しみましょう。
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